翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

化物七段目 : 2巻 - 翻刻

化物七段目 : 2巻 - ページ 11

ページ: 11

翻刻

【右ページ上】 ぬらさん かわたしや【ぬらさんか、わたしゃ】 おまへになめ こすられ あんまりく さゝにふいて いるわいな 【おかるが由良之助に酔いつぶされて、酔いざましに風に吹かれている、と話すシーンのパロディ】 【右ページ下】 そこに いやるはおさるか なにしていやるようか あるおりてたも 【右ページ左下】 ゑんの 下にはなを ゑつほむ【つっこむの意?】 まいは〳〵 ぶたまじ【ぶたの洒落であるには違いない】 くあるは 【豚の台詞は「縁の下には猶ゑつぼ」を「縁の下に鼻をゑつほむまい」と洒落ているらしい。後半このようにしか読めないが、意味がよくわからない】 【 豚は仮名手本忠臣蔵七段目の斧九太夫に相当し、斧太=ふた(豚)の洒落。 原作では縁の下で文を盗み読み、「縁の下には猶ゑつぼ(笑壷)」となるシーン。 ここでは文ならぬ鮒を捕まえて、鼻を突っ込もうとしているので、 「縁の下に鼻をつぼむまいは~」という洒落だろう。ゑは調子をとっているだけの文字とみなしています。】 【左ページ上と屋根の下】 あたりみ まはしぬら のすけ つりとう ろうのあ かりをふき けしのむな まふなはいけ すよりいたち のよふすこま 〳〵となめら れそろ【なめられ候】では かどらずなま のふなよとう ら山しくお さるはうへよりみおろせど よめさるま なこなりどぢやう【泥鰌?】とも 【読めざると猿がかかってる】 しれずかた てをのべてとるとて【「のべ鏡」にかかっている】 おとすし ぶかき【渋柿】ゑんのした にはぶたゆふ がなめおろすふな【「ふな」は「ふみ」の洒落】 おちたる かきにぬら のすけみ あけてう しろへかくす ふな【「後ろへ隠す文」の洒落】 【左ページ左下】 まんじうよしか おこしふなまんじうと いふことはこのことなり 【鮒の饅頭売りなので、舟饅頭=遊女にかかっている。お猿=おかるは夫のために身売りして遊女になった。由良之助はおかるを好条件で身請けするので、まんじゅうよしか=まずよしか、の洒落?】

現代語訳

【右ページ上】 「ぬらのすけさん、私は、あなたになめ回されて、あまりにも臭いので風に吹かれているのですよ」 【おかるが由良之助に酔いつぶされて、酔いざましに風に吹かれている、と話すシーンのパロディ】 【右ページ下】 そこに、 「いやあ、あれはお猿か。何をしているのだろうか。」 ある時降りてきたが... 【右ページ左下】 縁の下に鼻を突っ込むまい、 舞は豚が... 【豚の台詞は「縁の下には猶笑壺」を「縁の下に鼻を突っ込むまい」と洒落ているらしい】 【左ページ上と屋根の下】 辺りを見回し、ぬらのすけ、釣灯籠の明かりを吹き消すのも無理もない。鮒は池水よりいたちのようにすこまかとなめられ候では困らず、生の鮒よと。 うら山しく、お猿は上より見下ろせど、読めざると猿がかかっている。何なりと泥鰌とも知れず、手を延べて取ろうとして、落とす。深柿、縁の下には豚が夕方、なめ下ろす鮒。 落ちた柿に、ぬらのすけが見つけて後ろへ隠す鮒。 【左ページ左下】 饅頭よしか、お越し鮒饅頭ということはこのことである。 【鮒の饅頭売りなので、舟饅頭=遊女にかかっている】

英語訳

【Right page top】 "Nuranousuke-san, I have been licked all over by you, and it smells so bad that I'm being blown by the wind." [A parody of the scene where Okaru, drunk by Yuranosuke, is being blown by the wind to sober up] 【Right page bottom】 There, "Oh my, is that a monkey? What is it doing?" At one point it came down... 【Right page bottom left】 I won't stick my nose under the veranda, The dance is with a pig... [The pig's dialogue seems to be a pun on "Under the veranda there's still a laugh" changed to "I won't stick my nose under the veranda"] 【Left page top and under the roof】 Looking around, Nuranousuke, it's no wonder he blows out the hanging lantern's light. The crucian carp, licked like a weasel from the pond water, doesn't matter - it's a raw crucian carp. Enviously, the monkey looks down from above, but cannot read - this connects to the monkey. Not knowing whether it's a loach or what, extending its hand to catch it, but drops it. Deep persimmon, under the veranda the pig in the evening licks down the crucian carp. The fallen persimmon, Nuranousuke finds it and hides the crucian carp behind. 【Left page bottom left】 "Good steamed buns, come get crucian carp steamed buns" - this is what this refers to. [Since it's a crucian carp bun seller, it connects to boat buns = courtesans]