翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

[化物一代記] : 5巻 - 翻刻

[化物一代記] : 5巻 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

いくら おどして□【も?】 人がもち ひぬ【用ひぬ?】ゆへみつ どうはふつと おもひつき はりぬき のざとう の大あたま をかふり おどして みんと 人みな□ 【腕の左へ】 □山おくへ ゆき 人どをりを まちしに かりうど とも おも はれ し 【左ページ上へ】 ものひとり とをりかゝりしゆへ うしろよりぬつと かほをいだせしに おもひのほか ごうせいものにて とつておさへ あたまの はりぬきを ひつたくり ひどいめに あふ 【右ページ中段へ】 おのれにくいやつ おれをたれ たとおもふ かん平が【勘平が】 はらきりの ばへも【場へも】 でた たぬきの かく兵へと【各兵衛と】 いふなを しれた おとこだ そんな事で おぢるものか【怖じるものか】 ばけ物の にた□ ぼ□ ど め 【左ページ中段へ】 まつぴら ごめんなされ ませお人を みそこ ないまし たきつと いごを つゝしみ ませう【きっと以後をつつしみませう】 【下へ】 ころし くじつ ても つまらぬ ものだ

現代語訳

いくら脅しても人が用いない(騙されない)ので、密道はふと思いつき、張り抜きの座頭の大きな頭をかぶって脅してみようと思った。人里を離れ山奥へ行き、人通りを待っていると、狩人と思われる者が一人通りかかったので、後ろからぬっと顔を出したところ、思いのほか豪勢な者で、つかまえて押さえつけられ、頭の張り抜きをひったくられ、ひどい目に遭った。 【狩人の台詞】 「おのれ憎い奴め、俺を誰だと思っている。勘平の腹切りの場へも出た狸の角兵衛という名で知られた男だ。そんなことで怯むものか。化け物の似非どもめ。」 【密道の台詞】 「まったく御免なさいませ。お人を見損ないました。きっと今後は慎みましょう。」 【狩人の台詞】 「殺してくれても詰まらぬ者だ。」

英語訳

No matter how much he tried to frighten people, they wouldn't be fooled, so Mitsudō suddenly had an idea and decided to put on a large papier-mâché head of a blind monk (zatō) to try scaring them. He left the village and went deep into the mountains, waiting for passersby. When someone who appeared to be a hunter came along, he suddenly stuck out his face from behind, but unexpectedly the man was quite formidable and grabbed him, pinned him down, snatched away his papier-mâché head, and gave him a terrible beating. 【Hunter's dialogue】 "You detestable wretch! Who do you think I am? I'm the famous tanuki Kakubei who even appeared in Kanpei's seppuku scene. I won't be intimidated by such tricks. You fake monsters!" 【Mitsudō's dialogue】 "I'm terribly sorry! I misjudged you. I will certainly be more careful from now on." 【Hunter's dialogue】 "Even if I killed you, you'd be worthless."