みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

温泉来由記 - 翻刻

温泉来由記 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

射山(いやま)と書(かき)かへたるよし又(また)湯山(ゆやま)と 云(いひ)しは清(すが)の湯山主(ゆやまぬし)と称(しやう)し奉(たてまつ)る のゆへなり往昔(むかし)は此御社(このみやしろ)ゐやまの 半腹(はんふく)にあり今其(その)旧跡(きうせき)に松(まつ)の古木(こぼく) 有(あり)て折(おり)〱龍燈(りうとう)を捧(ささ)く又(また)麓(ふもと)より 南(みなみ)一町(いつちやう)あまり隔(へだつ)て一(いち)の鳥居(とりい)の有(あり) し地(ち)今(いま)の御社(みやしろ)よりも南(みなみ)にあたり 田圃(でんほ)の中(なか)に礎(いしずへ)など残(のこ)りて其(その)所(ところ)の 字(あさな)を鳥居谷(とりいだに)といふ天文(てんぶん)の比(ころ)より おちつかた梁棟(りやうとう)の文(ふん)など今(いま)尚(なを)あり    貝石山(かいせきざん) 名(な)は射山(いやま)なれど貝(かい)のすがたせる石(いし)の 多(おゝ)くあるをもて貝石山(かいせきざん)といふ 風流(ふうりう)の人(ひと)の尤(もつとも)愛(あい)すべき奇物(きぶつ)なり