翻刻
真榊(まさかき)はらふ神風(かみかぜ)の音(をと)
右(みぎ)榊原(さかきばら)と読(よみ)かくして少(すこ)し祝(しゆく)する
にてとあり いにしへ湯明神(ゆのみやうしん)の御社(みやしろ)
射山(いやま)《割書:一名|貝石山》にありし時(とき)は此(この)温泉(おんせん)その
山(やま)の北(きた)の麓(ふもと)にあり今其(その)處(ところ)を湯(ゆ)の
嵩(だけ)といふ御社(みやしろ)を今(いま)の所(ところ)へ遷(うつ)し
奉れは湯(ゆ)も亦(また)御社(みやしろ)のほとりに湧(わ)きぬ
まことに神(かみ)の御湯(みゆ)なる事 明(あき)らけし八雲(やくも)
御抄(みしょう)になゝくりのいでゆありまのいで
ゆしなのゝみゆ清少納言(せいせうなごん)の草子(さうし)にも
湯(ゆ)はなゝくりのゆ有馬(ありま)の湯(ゆ)玉(たま)つくり
の湯(ゆ)と侍(はべ)りて其名(そのな)高(たか)く又(また)榊原(さかきはら)の
湯(ゆ)ととなへしことふるきふみにものせ
侍(はべ)れど歌(うた)には作例(さくれい)によりて七(なゝ)くりの