翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物一家髭女 2巻 - 翻刻

化物一家髭女 2巻 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

□【戸】 のや ふれをと れは【戸の破れをとれば】  やせかれたる【痩せ枯れたる】女めつき のことく のめの玉 ひからせ三つめのあり【三つ目のあり】 さまたたとへんかた【さま、譬へんかた】 なし ごう介 べく内を きりはらい ゆう〳〵とみちを いそき つしとう【辻堂】に しのひいり【忍び入り】 よの【夜の】あくる をそまちい           ける【明くるをぞ待ちいける】 【縁側】 かゝる所へ てにかけ     し 女ほうのごぜ うしにの りしやみ せんを 引こう たを【弾き小唄を】 うたいて きたる 【その下】 ゑんの下 よりは おそろしき 入道 はい おる 【左ページ】 人のむくいは あるもの か ないも のか むこいしかたじや ないかいなちゝちん ちん〳〵てんてつとん

現代語訳

戸の破れから見ると、痩せ枯れた女が、目つきが月のような目玉を光らせており、三つ目のあり様で、たとえようのない恐ろしい姿であった。 郷介は可内を切り払い、ゆうゆうと道を急ぎ、辻堂に忍び入って、夜の明けるのを待っていた。 そこへ、手にかけた(殺した)女房の瞽女が牛に乗り、三味線を弾きながら小唄を歌ってやって来る。 縁の下からは恐ろしい入道が這い出てくる。 【瞽女の小唄】 「人の報いはあるものか、ないものか。報いは仕方がないかいな。ちちちん、ちんちんてんてつとん」

英語訳

Through a broken door, he could see an emaciated woman with eyes like the moon shining brightly, having a three-eyed appearance so terrifying that it was beyond description. Gōsuke cut down Bekunai and leisurely hurried along the road, sneaking into a roadside shrine hall to wait for dawn. There, the blind female musician (goze) whom he had killed came riding on an ox, playing the shamisen and singing a kouta (short song). From under the veranda, a terrifying giant monk crawled out. 【The goze's kouta】 "Does divine retribution exist or not? Retribution is unavoidable, isn't it? Chichichin, chin chin ten tetsu ton"