翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物一家髭女 2巻 - 翻刻

化物一家髭女 2巻 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

小つとも 三郎よこ 川郷介にくすり をあたへ かい ほうせしかは やう〳〵 せうき【正気】となりだん 〳〵やうすをき けばわかたつぬ るかたきゆへ よろこふ 【下へ】 おかけてたすかりました なにをかくし■■ん おまんといふ女 をころせし よりこと おこりかく の しあわせ 【郷介の右下から刀の下数行、ほとんどかすれている】 □□… 【小津友三郎の下、かすれ多し】 さては□□□くまい□ □□にきをうし なはれし □□なしてまたそのお まんと やらをはな□してに かけめ された 郷介は□□□ かたきも 【その左上(どこから続いているかはわからない)】 しら   を たん〳〵 ものかたりする 【左ページ左上、小津友三郎の台詞】 それかしこそなんしが【汝が】 てにかけしおまんか おつと小津とも三郎         なり 【その下】 なんしを うたんと此 とし月いかい くろうをしたはやい いざかくこゝろしてしやうふ〳〵 【右下端へ】 さてはさふてあつたか ひよんなやつにたなお ろしをしきかせた し よし〳〵【笑止笑止】 【足の下】 かへり□ちに【返り討ちに】 してくれ     ん さあ□□め きりこめ   〳〵

現代語訳

小津友三郎は横川郷介に薬を与えて介抱したので、ようやく正気となり、だんだん様子を聞けば、我が探す敵ゆえ喜ぶ。 【下へ】 「お陰で助かりました。何を隠しましょう。おまんという女を殺したことより事が起こり、このような幸せ(に巡り会えました)。」 【郷介が】だんだん物語りする。 【左ページ、小津友三郎の台詞】 「それこそ、そなたが手にかけたおまんの夫、小津友三郎なり。そなたを討たんと、この年月どれほど苦労をしたか。さあ、覚悟して勝負々々。」 【右下端へ】 「さてはそうであったか。変な奴に棚ぼたを聞かせたものだ。笑止々々。」 【足の下】 「返り討ちにしてくれん。さあ来い、切り込め々々。」

英語訳

Ozu Tomosaburō gave medicine to Yokogawa Gōsuke and tended to him, so he gradually regained his sanity. When asked about his circumstances bit by bit, Tomosaburō rejoiced because this was the very enemy he had been seeking. 【Below】 "Thanks to you, I was saved. What should I hide? Ever since I killed a woman named Oman, troubles arose, but now I have this good fortune (to meet you)." 【Gōsuke】 tells his story bit by bit. 【Left page, Ozu Tomosaburō's dialogue】 "That's right! I am Ozu Tomosaburō, the husband of Oman whom you killed with your own hands. To avenge you, I have suffered so much hardship over these years. Now, prepare yourself for battle!" 【Lower right edge】 "So that's how it was! What a strange fellow to confess such a windfall to me. How absurd! How absurd!" 【Below the feet】 "I'll strike you down instead! Come on, attack me!"