翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物一家髭女 2巻 - 翻刻

化物一家髭女 2巻 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

ごうすけやつこへく内をともに つれしかげろうはくちのさかなき ものとおもひ みちに て□□【たまし/騙し】 ころし に  する【ころしにする】 おまんど のをころし たことわれ ならてしるものな きゆへ人につけん         も はかられすと それてこりや ころすの かむごい しようだ ウヽ〳〵 よいすいりや うだ【良い推量だ】はやく くたばれ 〳〵 【右下へ】 それより よこ川郷介 おまんを ころせし こと 【その下へ、数行かすれて読めず】 し■■の■は もな■れは □…【こゝろへつ?】 □…【るに?】 □…【かうしう?】 【の?】 【よこ川の足の間】 かたに すこしの しるへを たの み 立のく 【左ページ】 かくてよこ川郷すけは かうしうのかた ど【山?】かけにしのひいたりしか となりむらに ひとりずみの ごぜありけるをみて くわんらいこうしよくむとうのものなれば【元来好色無道の者なれば】 ごう介 此ごぜにたよりおり〳〵 くちきけり こぜもごう介 かしんてい まことと おもひつい にま  くらを かは す 【よこ川郷介の右下】 ついに ふうふ となる 【その下へ】 ほんに みそで はないか【味噌ではないか】 われら かやうな やさしい こゝろは ある  まい

現代語訳

郷介は奴の可内を供に連れていたが、影郎は口の軽い者と思い、道中で騙して殺してしまった。 「おまん殺しのことを知っているのは、私以外にはいないので、人に嫌疑をかけられることもないだろう。」 「それでこいつを殺すのか。残酷なやり方だ。うう。」 「良い推量だ。早く死んでしまえ。」 それより横川郷介は、おまんを殺したこと〔について〕、〔詳細は不明〕心得て、甲州の方に少しの手がかりを頼みに立ち退いた。 かくて横川郷介は甲州の片山陰に忍び住んでいたところ、隣村に一人住まいの瞽女がいるのを見て、元来好色無道の者であるから、郷介はこの瞽女にたびたび言い寄った。 瞽女も郷介を気に入り、真実と思って、ついに夫婦の契りを交わした。 ついに夫婦となる。 「本当に味噌ではないか(いいではないか)。私たちのようなやさしい心はあるまい。」

英語訳

Kyōsuke had brought along his servant Bekunai, but thinking that Kagerō was a loose-tongued fellow, he deceived and killed him on the road. "Since no one other than myself knows about Oman's murder, I won't be suspected by anyone." "So you're going to kill him? What a cruel way to do things. Ugh." "That's good reasoning. Die quickly." After this, Yokogawa Kyōsuke, regarding the matter of killing Oman, [details unclear] understanding the situation, fled to Kōshū with only a small lead to rely on. Thus Yokogawa Kyōsuke was hiding in the shadow of a mountain in Kōshū when he saw a blind female musician (goze) living alone in a neighboring village. Being naturally lustful and immoral, Kyōsuke repeatedly made advances toward this goze. The goze also took a liking to Kyōsuke and, thinking his feelings were sincere, eventually exchanged marriage vows with him. They finally became husband and wife. "Really, isn't this wonderful? There couldn't be such tender hearts as ours."