翻刻
違ひありよき工夫の人尓/随(志たが)ふべし又建まぶしの藁は
繭かき取る跡何連の用尓も/達(た)つ捨へからず〇糸取り様
の事は國々尓て流義多し又近年は/尚色々(なをいろ〳〵)の取方尓仍
て道具も様々あれは其道尓/委(くわ)しから須して/整(なまじゐ)に/教(おしへ)え
だてして/却(かへつ)て/煩(わづら)はしむへし/図解(づかひ)尓志るしたる/書(しよ)も/養蠺(やうざん)
/秘録(秘録)尓も/委(くわ)しき様なれとも事足ら須又時尓合は須口傳
ものなれは/功者(こうしや)を/雇(やと)ひて?ふへし/唯(たゞ)繭となりし越
/能(よ)く/干揚(不しあげ)て置へし〇尤生の内は糸取よく糸目多く出
て/枡数(ますかず)も/余計(よけい)取れて/果敢(はくわ)ゆくもの也日増尓繭堅く
なる尓付。取り悪く/漏屑(ろうづ)。もでる故尓上糸/減(へ)る干上たる
繭も暑中までは生繭の/部(ぶ)なり秋風立て後は弥上糸の
出少なし/働屑(ろうづ)多し升/数(かづ)も多く取れ須又は鼠も喰ひ
又/鰹節(かつぶし)尓つく虫多くわき出て喰ひいろ〳〵の/患(うれ)ひ
出来て日増尓/減(へ)るばかり也繭買商人は初繭を手
尓入ると五升七升宛/数十軒(春じつけん)尓/配当(はいとふ)して上手の/取(と)り
/人(て)を?頼み尓/釣(しば)る/事(こと)を/我勝(われがち)尓する也又生繭干
繭とも其侭市尓賣るもあり又異人も繭。糸。共尓買
ふものなれは上手に干して賣るへし又上手の取り/人(て)を
道具持参尓て一両人雇ひ入れとらせなば家内の婦女
直尓見習ひ忽ち覚え安き物にて年中の稼と