翻刻
の/爪(つめ)をかけて/籡(しいし)の/反(めじ)けざる為也/筬柄(をさづか)用ひず
/機草木(はたくさぎ)を壱弐本/結付(ゆいつけ)て常の/綾(あや)尓て手心に/織(おる)
也/織揚(おりあげ)て天氣を見定め/張(は)り/糊(のり)をする也/蕨(わらび)の
上/粉(こ)を五勺水壱合五勺入て/能煮(よくに)て/兜鉢(かぶとばち)尓て/熱(あつ)き内に能く
/摺(春)りて/柿(かき)の上/生渋(きしぶ)を少し宛入ては/摺(す)り〳〵/糊嵩(のりかさ)五合
程尓て/足(た)るなれど/糊(のり)の/濃(こ)き/薄(う春)き見斗ひ《割書:又のり斗り/仕(し)て/一度(ひとたひ)干して亦渋をして|干し。のりと渋を両度に仕たるは猶よし》布は
/巻(まき)たる/儘糊(まゝのり)尓入/解(不ご)しなから/加減(かげん)すべし又/刷毛(はけ)尓て
引もよし但/寄目(よりめ)尓ならぬやう尓氣を付へし/寄(より)
たる所は/直(なを)して糊をすへし又/濃(こ)き/糊(のり)尓て目の/綴(とぢ)
たるは細き/棒(ぼう)尓てほと〳〵と打べし但《割書:籡棒打春る時籡は掃越しに張り替打べし左なけ|れば籡の下布目に鏡をはりふさがりてわろし》/干(ひ)上りて
後は糸の毛と〳〵十文字の所尓て〆付き妙也/籡(しいし)を心無く
用る時は干上りて後/布離(ぬのばな)れせず然る尓竹の/皮(かわ)の方
を布へ/添(そへ)て/張(は)るなり浅をうみて織るは猶よし但し惣数
のうち五寸巾の小切三分の一あるがよし
耳糸 竹の/籡(しんし)の図 耳糸
右ぎ 左り
右は/生綿(春が)尓て/絽綾(ろあや)に/織(お)りて用る/事(こと)あり〇又蚕肥りて後は
/竹簀(たけず)を細き/棕櫚縄(志ゆろなわ)尓て粗く/編(あ)み居尻り替に用る/事(こと)も
あり尤是は四度を起て後にまぶしへやとい込み迄に遣る也此制方は竹を細く
長??割至ぼにき尓て/面(めん)を取る左右の耳尓て打まげ中尓て継き
両端と中四通り都合六通り/編(あむ)也但初めと?りは太く割長三尺の間
六寸宛尓切目を入一本ツゝ/編(あみ)つらの志まりとし力竹と為るなり