翻刻
婦女(ふぢよ)の身は/一國(いつこく)/勧善(くわんぜん)の/一助(いちぢよ)ともなれかしと/荊桑(けいさう)を
植て/生垣(いけがき)とし/葉(は)を/摘(つみ)ても/絹一疋出来(きぬいつひきでき)なば國の益
と成へき/楽(たのしみ)ならずや/然(さ)れば初心の者尓も出来/易(や春)き
/便(たよ)りを/記(しる)せと/乞(こ)ふものあれは/求(もとめ)尓/應(おう)して/養蠺實(やうさんじつ)
/験録一冊(けんろくいつさつ)を記須尓猶桑成木方の/速(すみやか)なる/実験(じつけん)は
無きやと/問(と)ふ人の有尓/任(まか)せて此書を/一冊(いつさつ)と/為(な)して後
編と須/養蚕(やうさん)の方を/前編(ぜんへん)とし/前後(ぜんご)二編尓/依(よ)らは
/如何成(いかなる)人尓も出来安からん志かし年々の/暦(こよみ)を見る
如く/元日(ぐわんじつ)尓/大晦日(おほつごもり)迄/一覧(いちらん)すとも。はやに二月尓/至(いた)らは
当月は大か小/歟(か)と/疑(うたが)ふ如くなれは此書二編の
の内前編は/更(さら)なり/蚕飼(こがひ)の節は/側(そば)尓置日々入用の
所を/操(くり)明け置朝夕/寒暖計(かんだんけい)と見合せ手入の
/術(じゆつ)を/尽(つくつく)すへし亦/桑(くは)仕立方の事迄も必ら須
節を/忽(ゆるが)せ尓すべからず又/生垣(いけがき)は春秋の間夏の
末迄は両度程の/刈込(かりこ)みもすなれば手入ながらに
/春蚕夏蚕(はるごなつご)を/飼(かは)ん尓/便(たより)よしその/詳(つまびらか)なる事
は/讀得(よみへ)て知る扁し