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コレクション: STAGE9

日光山中禅寺 温泉記 全 - 翻刻

日光山中禅寺 温泉記 全 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

滝湯 甚冷なり  一諸むし一かみかさ一つかえ  一ひぜん一しらくも一たむし  一にがむし一づつう  但ひぜんには一たんねつ湯に  浴してそのゝち此湯に入べし  古翁いはく滝にうたするには  先あしよりうたせ其後段〳〵  五体をうたせ其後かしらをう  たすべし 中湯 二坪共にねつなり      但し黄疽にはいむへし  一たん    一せむし   一むねむし  一つかえ   一がいき   一せんき  一寸白    一けつそん  一しつひぜん  一ぢりん病  一ちうぶ   一むしけ  一げけつ   一かんぼう  一はらのいたみ  一わきのいたみ一こしのいたみ  是又名湯也老少をわかず諸病に  しるし有わけて脾胃を調へ  つかれたるをおきなひ腎水を  ます  凡此湯に浴する人其身冷甚しき  時は腹はり熱甚しき時は腹中  瀉することあり自在湯に入りて  よし冷熱中に敵すよろしきを  得てよし此湯へ三度入る時は必  す御所湯へ二度入へし温泉  の加減によりて害なし

現代語訳

滝湯 非常に冷たい  一諸々の虫 一頭のかさぶた 一疲れ  一疥癬 一白癬 一たむし  一にがむし 一頭痛  ただし疥癬には一度熱湯に  浴してその後この湯に入るべきである  古翁が言うには滝に打たれるには  まず足より打たせ、その後段々と  五体を打たせ、その後頭を打た  すべきである 中湯 二坪とも熱い      ただし黄疸には避けるべきである  一痰    一せむし   一胸虫  一疲れ   一害気   一癬気  一寸白   一血損   一湿疥癬  一痔瘻病  一中風   一虫毛  一下血   一疳病   一腹の痛み  一脇の痛み 一腰の痛み  これもまた名湯である。老少を問わず諸病に  効果があり、特に脾胃を調え  疲れたものを回復させ、腎水を  増す。  およそこの湯に浴する人で、その身が非常に冷えている  時は腹が張り、熱が非常に激しい時は腹中が  下ることがある。自在湯に入って  よい。冷熱中庸に適するよろしきを  得てよい。この湯へ三度入る時は必ず  御所湯へ二度入るべきである。温泉  の加減によって害はない。