翻刻
来ておのつからみへけれは肝をひやし魂をけさぬ者もなく見伝へ
聞伝へ世にある程の人すへて人間のはかなき理り今始て思ひ知り
たる様にいゝのゝしり欲心も少しうすくかとそ見えける是誠に
天命のしからしむる所といへとも貴□質福賢懸是悲の境も
いわす皆殺しに成たる事思へはにか〳〵しき事にあらすや
されはとて命の有ん限り何れにいか成うき事有んと知程に
遁れさくへき方もなけれは只欲心を捨て今日を楽しむには
しかすと思ひし其心を我も忘れす人にもしらせたく事
手に落たる書付け□絵図等を爰にしるしぬ
御届書の写
私御代官所信州佐久郡浅間山当卯五月廿六日頃ゟ折節山鳴
等致候義も在候所別而当六月廿九日頃大焼之様子に而一面に空に
烟吹上其中に焼石の類も在之麓へ落下山鳴強く近郷
家居迄雷地震のことくに鳴響之由尤烟は東へ吹返し候故却而
近郷へは砂等は降り不申候得共上州之方へは焼小石砂之類吹散候処も
在之候由信州御領所新田陣屋ゟ差置候私手代共ゟ申越候
仍之一通御届申上候尤御取箇方へは別紙を以右之段御届申上候
七月八日 御勘定所 遠藤兵右衛門印