みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

安政二年震災記事 完 - 翻刻

安政二年震災記事 完 - ページ 63

ページ: 63

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散かへと 誰かわ防く 人あらむ 行先遠く 野火ならて 末はおのれと 消ぬめり 知る人逢ハ もろともに 命しなめを かことにそ 慰さめあへる 外はなし 新島もりに あらなくに はふれにし身は 宿もなく 延火のうらみよ なゐにつれ 高汐のほる 磯ならて いつくよりとも 白浪の かゝる紛れに 時を得て 焼のこりたる 庫のうち なか付摧れし 家のあたり 立?ふるまふて【立?の右横に「立」の文字】  うせぬうらん 小やみもやらす ないふれは 庭の面に 古木もて 造れる小屋に 暫しとて 犬しもの 這入りてみれは 萩か枝を しがらむ荒や かるもかく 伏猪の床に 夜もすから いもねられぬを しくれさへ 涙?にいとなく 羽ぬけ鳥 さゆる夜風に いとゝして 晨をまちて 音そなかれける  反歌    なゐは猶あきつ島根をゆりすゑつ幾万代もうこかさるへく    崩れたる家ゐはやけて辛うしてのこりしものは盜まれにけり    家のみか胸もつふれてさき草のみつはよつはのことの葉もなし    白浪の過にし跡の夜守はやけ野のはらの火花ふ声          堂閑丹波のあるし               信節乱筆 震後口号 治平三百長驕奢|一(○)震倒摧千万家 気他咸衰天地久|人(○)生得失復何□  芦迺戻検校圧死す《割書:地動記ニ|あり》十月二の夜?富沢町関岡ト云  能装束師の隠居本所一ツ目辺ニ居住し針の療治に  至り病床にりやうじせし処に家潰れ両人とも死去す   此事をきゝて    病家さきよしあしのやはしらすして針打に出て梁に                      うたるゝ