翻刻
をもてり伊勢侯藤田の上下召れ刀をもさゝれ《割書:藤田氏の刀は|屋様ゟ拝領也》【「屋様」と読めるが意味が通じないので、文字の欠落があるのでは。】
岡西の挑灯御足袋は某の継々ありしをはかせられ御供
わづか三人にて第一番に御登 城あり
御安体にて御麗しき御尊顔拝せられける内ニ
諸侯方追々御登 城あり御恙のなきを恐悦申上らる
福山侯は御下 城ありて御屋鋪に御帰りあそば【この二字は、誤った文字を途中まで書いて、そのまま上書き訂正したものか。「ば」は変体仮名(字母「者」に濁点】され
御火事装束に御着替の処御殿向不残潰レ無是
悲丸山御屋敷へ御使にて御隠居様火事衣裳を
御借用ありて又々御登 城ありけるト云々
阿部侯御奥御殿向は不残潰れ奥方左りの御腕を御怪
我遊され金田元仲小手療法にて御全怪【快カ】ト云々
御愛妾は死去致されし由
福山侯御表に御書もの遊され今暫にて御奥江御
出遊されんとの折から地震ゆへ御庭江走り出玉ふ此
時御奥に入らせ玉ハヽ御落命も難計危き場所ニ候
御怪我もなく御存命なりしは天運冥加にかないし
貴き君也其頃風聞ニ奥様御怪我にて薬研
堀外料医者名倉弥次兵衛方に御使にて
早速参るべき旨仰遣されし処名倉申上候は
只今数多の怪我人引受居候故奥方御壱人りに
御療治には参りかたき段申上候得は夫より奥方
御しのびにて名倉へ御越候由 是全虚言也ト云々
御茶ノ水御火消屋敷 御矢倉番夜四ツ時廻り
来りしかば交代せんと御櫓に上り先般は引とりける此