翻刻
|後(ご)ぢんのそう大|将(しやう)ぢしん大そうぐんゆり|高(たか)がいでたちには
ちの下まつくらおどしの大よろひを|着(ちや)しいたぶり|毛(け)のこまに
くら〳〵おいてくらりとうちのり|付(つき)したがふめん〳〵にはやま〳〵
ふるひの介しんどうじ入(にう)どうひゞきさいをはじめ地の下|池(いけ)
なみのぢうにん|谷(たに)そこの|一(いつ)き一どうによりあつまりたゞ
一トゆりにゆりつぶさんとせんぢんごぢん一どにどつとゆり出すその
いきほひ山にひゞきさとにとゞろき大ぢさけるばかりをりから
うみてのかたよりかせいとして大つなみどゝ右衛門なみたつその
せい|五丈(ごじやう)あまりの大なみを三だんにそなへわにざめ【鰐鮫】さちほこ【鯱】さすべ
いあかゑい太郎たいこのにうどうをはじめいちどうどゞどつとわ
きいたせばきしぐちにかためたるなみよけ|杭(くい)之丞(のじやう)石(いし)がけかた
ん太一トたまりもなくおしながされ|夫(それ)より|平地(へいち)へおし|出(いだ)し
|濱辺(はまべ)れうしの介|在郷(ざいごう)民家(みんか)太夫(たいふ)山下あぶ|内(ない)ふせぐかた
なく|軒(のき)をならべてうちじになりぢしんいきほひこのとき也と
山〻をなりひゞかせ大ゆりにゆりいだせばそのせつ|海道(かいどう)|一(いち)と
よばれたる|宿(やど)屋|泊(とまり)寺うちひろは|大丈夫(だいじやうぶ)なる|屋(や)たいぼ
ねにて土|臺(だい)をすへてらうじやうすゆうぐんにはふん
ばり|杓子(しやくし)のすけめしもりが一ぞくとしま|盛(さかり)りの|介(すけ)
きやくとり四十|嶋田(しまだ)はん|官(ぐわん)きやくなしとやのしんぞう
かさ|有(あり)等(とう)はまいばん|地(ぢ)しんになれたる女郎|勢(ぜい)つとめ
の五百きをもつてらうじやうすかくてこの|時(とき)ぢしんぜい
宿〻よりゆりつぶさんとぐら〳〵ぴんしやり助をさきに|立(たて)
む二|無(む)三【無二無三】に|打(うち)たをせばやとやはらつかみぢんにうち
つぶれらうじやうかなはすかんどうより|竹(たけ)やぶさして
にげいだす引つゞいてつぶれ屋|火事(くわじ)兵衛八はうより
やきたてしかばなにかはもつてたまるべきふゐをうたれし
ことなればすいつゞのたくわいへうたんのよういもなくいか
でかなまづをとりおさへべき|手立(てだて)もなくはつはうへさんらん