翻刻
いたしにげる折(おり)からつなみのながれ矢(や)にあたりまたはがん
ぜきにおしつふされうちじにする物かづをしらすさすが
下田(しもだ)伊豆(いづ)のにうどう千|軒(けん)さい用|心(じん)するがの守(かみ)等(とう)防(ふせぎ)
かねてぞ見へにける此ときかしま要(かなめ)の守(かみ)いしなりきこ
しめし大ひにはら立につくき地(ぢ)しんのしわざかな鯰(なまづ)
の身|分(ぶん)としてにんげんにがいをなせしことふとゝきのいたし
かたそのきなれはいち〳〵とりおさへぶつ〳〵ぎりの上|鍋(なべ)やき
にしてくれんと早(はや)くもせいをあつめけりみな〳〵ぢしんばん
しよ人よりあつまりまつ先(さき)にはせんなりべうたん【千成瓢箪】のむま
じるしをおしたてなまづを討(うつ)て大|将(しやう)へうたんくびれ成
たねありふくべのこまにうちまたがりすいつゞならべて
おしいだす左右(さゆう)にはいもむし五郎へうたんぶくり成つゞ
いてふくべ与いちへちまぶらりすけをはじめへうたん勢(ぜい)
われも〳〵とおしいだす御本陣|鹿嶋(かしま)かなめの頭(かみ)石|成(なり)公が
いでたちにはあを砥(と)おろしの大よろひに火打(ひうち)石(いし)の陣(ちん)ばをり
みかげこまにいしくらおいて打(うち)またがり石かけ備(そなへ)にのり
いだす付したかふめん〳〵にはかんじん要(かなめ)之丞まんざい楽(らく)
すけどう庄兵(しやうべい)衛|火事(くわじ)よりこわ右衛門|往(わう)らいとまり助
明(あき)場(ば)しよそんし郎しゆく〴〵なき右衛門われも〳〵とぶる〳〵
こは〴〵おしいだす此とき水(すい)どうとひのかみ家臣(かしん)はじめ堀(ほり)
ぬき井戸右衛門は井戸かはのおゝよろひをちやくし地(ぢ)しん
のどてはらをつき抜(ぬか)んと五ほんつなぎのながやりをみず
そこめあてにつきとうすさすがにつよき大ぢしんもつき
ぬかれてはかなはじとあとをもみずしてひきしりぞく是(これ)
をいくさの手はじめとしてそうはう入みだれてたゝかへは
地しんのなかよりわれこそはみづそこのぢうにんかつ□□
川(かは)太郎|引(ひき)なりと名(な)のりかしらにはさらのかぶとをいくび□
きなししりをねらつて打(うち)かゝればみかたのぢんゟ山師(やまし)判(はう)