翻刻
シリア【シリヤの左に傍線】及びエジプト【エジプトの左に傍線】にては、「サムシン」と名づけ、
西方(さいはう)アフリカ【アフリカの左に傍線】にては「ハーマタン」と呼び、スペー
ンにては「ソラノ」と称(しやう)す、以上(いじやう)|諸風(しよふう)の原由(げんゆ)は、アラ
ビヤ【アラビヤの左に傍線】及びアフリカ【アフリカの左に傍線】の大砂漠(だいしやばく)の炎熱(えんねつ)なる外面(ぐわいめん)に
帰(き)すべし、「シロコ」と「ソラノ」の二風(じふう)は、地中海(ちゝうかい【地中海の左に傍線】)を渡(わた)
るによつて、湿気(しつき)を含(ふく)み、「シムーン」「ハーマタン」の
如く乾燥(かんさう)ならず
旋風(せんぶう)、
旋風(せんぶう)は猛烈(もうれつ)にして旋回(せんくわい)する風(かぜ)なり、西インヂー【インヂーの左に傍線】
ス【スの左に傍線】及びインデア洋【インデア洋の左に傍線】に於て数々(しば〳〵)起(おこ)る事あり、これ
は空気(くうき)の甚だ大(おゝ)いなる塊(かたまり)にして、其|径(わたり)|数里(すうり)より
五百里にまで至(いた)り自(みづか)ら其|中心(ちうしん)を旋回(せんくわい)するもの
にて、中心(ちうしん)は却(かへ)りて静(しづ)かにして、全(まつた)く激動(げきどう)を覚(おぼ)え
ざるものなるべし、また此風(このかせ)はインデヤ洋(やう)【インデア洋の左に傍線】に於
て、最(もつと)も甚だしき猛勢(もうせい)を顕(あらは)す、支那(しな)の海(うみ)に在て之
を「タイフーン」と云ふ、また他の地に在て「ホーイ
ルウインド」「ヨータルスポート、」「ランドスポート」
「サンドピルラル」「ホワイトスキュヘル、」「パンペロ」等
天然地理学 巻之二 三十八