翻刻
|雨水(うすい)|岩(いは)石を|透(とほ)して《箱:い》|洞穴(とうけつ)に|満(み)ち、《箱:ろ》|曲道(きよくどう)の|頂(いたゝき)に|至(いた)
れば、|泉水(せんすい)|沸出(ふつしゆつ)して、|其(その)|洞中(とうちう)の|水(みづ)|皆(みな)|竭(つく)るに|至(いた)るま
で|流注(りうちう)す
|温泉(おんせん)
|温泉(おんせん)はその|地(ち)の|空気(くうき)より|温度(おんど)|多(おゝ)きものを云ふ、
|往々(わう〳〵)其|熱(ねつ)、|沸湯(ふつとう)と|同度(どうど)に|至(いた)るものあり
|噴泉(ふんせん)
|噴泉(ふんせん)は|湧出(ゆしつ)の|勢(いきほひ)|甚(はなは)だ|猛烈(もうれつ)にして、|時(とき)あつて其|水(みづ)
を|噴射(ふんしや)する|形状(かたち)、|恰(あたか)も|円柱(えんちゆう)の如くにして、|較著(かくちよ)な
る|高(たか)さに|至(いた)るものなり、|即(すなは)ちアイスランド【アイスランドの左に傍線】の「ゲ
イセル」泉(せん)は、|此類(このるい)にして、また|時(とき)あつて|湧出(ゆしゆつ)し|時(とき)
あつて|歇(や)む、|独(ひと)り|噴出(ふんしゆつ)の|間断(かんだん)あるのみならず、其
|温度(おんど)|時々(じゝ)|多少(たしやう)あり、|或時(あるとき)は|空気(くうき)と|同温(どうおん)にして、|或(ある)
|時(とき)は|沸湯(ふつたう)の|熱度(ねつど)に|等(ひと)し、|次(つぎ)に|載(のす)るものは、この|噴(ふん)
|泉(せん)の|地下(ちか)を|示(しめ)して其|然(しか)る|所以(ゆえん)の|理(り)を|解(かい)す〇|今(いま)
|水(みづ)|岩石(がんせき)を|透(とほ)して《箱:い》|地下(ちか)の|洞穴(とうけつ)に|集(あつま)り、|地心火(ちしんくわ)の
|作用(さよう)によつて、|甚(はなは)だしく|熱(ねつ)して、|蒸気(じやうき)を|生(せう)じ、その
|弾力(たんりよく)によつて《箱:ろ》|水道(すいどう)を|透(とほ)して、|熱水(ねつすい)を|噴射(ふんしや)する
天然地理学 巻之二 四