翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

草木芝居化物退治 / 泉花堂三蝶(十六兵衛)作 - 翻刻

草木芝居化物退治 / 泉花堂三蝶(十六兵衛)作 - ページ 18

ページ: 18

翻刻

ふたりの衆のをもわくもきのどくの山芝居 どいつもこいつもねているさかいでゑんりよなく 談(だん)じませふかい 銀杏(いてう) うわさをいへばかげさすとてさつそくの御入(ごじゆ) 来(らい)重畳(ちゃう〴〵)千万こよいさらいの新狂言まだ 惣座中の草木たちも白川よふねの 折もよしかの内〳〵のしゆだんをかため外へ もらさぬかなへのだんかう岩のものいふ世の 中じやおもい〳〵のりやうけんを三木(さんぼく)即座(そくぎ)【「そくざ」の誤りか】 の懸合(かけあい)に釘(くぎ)をかたむる箱根の山 手のごいの精(せい)○大音声(たいおんじやう)上(あげ)上方詞にてきやうとくすべし 《割書:イカニモ|》めい〳〵しん腹(ふく)をあかしあかねのさす迄も 桑(くわ)の精(せい)

現代語訳

二人の衆のお思わくも気の毒な山芝居、どいつもこいつも寝ているので遠慮なく談じましょうかい。 銀杏(の精) 噂をすれば影が差すとて、早速のご入来、重畳千万。今宜さらいの新狂言、まだ総座中の草木たちも白川夜船の 折もよし、かの内々の手段を固め外へもらさぬ金の団合、岩の物言う世の中じゃ、思い思いの了見を三木即座の掛け合いに釘を傾ける箱根の山。 手拭いの精 ○大音声上げ、上方詞にて強得すべし 《割書:いかにも》銘々真腹を明かし、茜の差すまでも 桑の精