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【右丁】
有難(ありかたき)態(わさ)なりけり是のみにもあらず春秋戦国(しゆんしうせんごく)と
云(いひ)ける時代(じたい)には説客(ぜいかく)とて弁口(べんこう)ある者(もの)又は漢(かん)の世(よ)の
東方朔(とうはうさく)など云(いひ)し人(ひと)皆(みな)能(よく)笑(わらひ)謔(たはふ)る言(こと)を為(なし)て諫(いさめ)
を云(いひ)けるに聞人(きくひと)も亦(また)怒(いかり)罪(つみ)する事なくて能(よく)受納(うけいれ)
けるとなりされは企(くはだて)及(をよぶ)へきにはあらね【濁点は衍】とも今(いま)
此(この)篇(へん)の往々(わう〳〵)戯言(たはふれこと)をなせるをも雑駁(ざつばく)なりとて是
を罪(つみ)する事なからん事を祈(いのる)ものなり
酒説養生論巻之三終 丙寅四月十四日収
【左丁 白紙】
現代語訳
【右丁】
ありがたい行いであった。これだけではなく、春秋戦国時代には説客といって弁舌に長けた者、また漢の時代の東方朔などという人は、皆よく笑いながら戯れの言葉を用いて諫言を行ったが、それを聞く人もまた怒って罪に処することなく、よく受け入れたということである。それゆえ、私などが企て及ぶところではないとはいえ、今この篇でしばしば戯言をなしたことについても、雑駁だといってこれを罪することのないよう祈るものである。
酒説養生論巻之三終 丙寅四月十四日収
【左丁 白紙】