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コレクション: 地誌・郷土資料

嘉陵記行7【千葉県方面】 - 翻刻

嘉陵記行7【千葉県方面】 - ページ 4

ページ: 4

翻刻

この辺かなたこなた柳あまた青み渡れるも処得かほ也はるかに 馬ひけるおのこの過るありかれたる葦間を小舟さすあり唐人 の画にける西湖の様したり向ひの山の木の間に遍覧亭見ゆ そこの処は松柏さまて大成はなけれとも風にもまれて 節たちて見ゆるは己か操あらはせるにやとやさし台の山口 に一むらの民戸見わたさる其左の方は丹土の崖高くす?斗?へ【そびへ】 下の渕は水の《見せ消ち:宮|色カ》殊に蒼かみなきりてものすこきまてに見ゆ 堤の縄手を行はて《見せ消ち:し|てゝカ》民屋の間をゆけは山の入口すこしひち 折て坂を上る城の大手なりと云のほりはつれは総寧寺の 大門左右松柏並たてり四五丁はかり行て道の左に石橋あり おもて下馬とゑり付傍に一間代置之と刻む  こゝの辺り川はたに下る径あり甲毘沙門雁木と言その堂あれは  名つく二三十年前こゝの川底より大なる太刀一腰を取得し  こと有《見せ消ち:物|柄カ》鞘はくさりてなし今綱宇寺【総寧寺】に納といふ 右の下馬標ある処より寺の大門は故水戸の西山《見せ消ち:弓|公カ》当時の 住僧一間和尚の為に建立し給ふといふ瓦もてふき黒くぬり たり  一間は西山公の甥の御つゝきの人也といへり此人大略ありて