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コレクション: コレクション6

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 4322 (3) - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 4322 (3) - ページ 4

ページ: 4

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【右丁】 やにく【憎らしいと思われるほどに】なりつることよ何事もしゆくせ【宿世…前世の因縁】にてあり けるとてよろこひ給ひけるいまたおさなきお とい心のうちにつく〳〵とおもひけるはあはれひ めきみはさこそはかりなくおほしめしゝものを 中将殿のかくおもひわすれ給へるかなしさよお そろしの心やとおもひてそでをそしほりける さてもしよきやうてんよりして御ふれいのこゝち おはしけるか二月になり給へはかうをそはしめ させ給ひけるとうの中将をはみかとのれいけいてん をはすさめ【遠ざける】給ひていつとなくしよきやうてん にのみこもりいらせ給へはめさましくおほえて 【左丁】 大り【内裏】へも参り給はす十らくかうにめせとも参り 給はねはみかとげきりん【天皇の怒り】ありてとうにてはいと まなき事にてあるにいつとなくさとにのみゐ たるよとおほせありけれは参り給ひけるはるの 夜の月くまなくしてかせものとけきはなさか りおもしろかりしおりふしのどかにくるまをや られしにさしぬき【注①】のうらにこはき【堅くごつごつしている】物そあたり ける何やらんとて六ゐのしんをめしてみせられけ るにとり出してみれはなかに五六すんはかりあ るかたしろ【注②】にひ【注③】をふりあけて【振り上げて】くはしくこれをみ れはおとことをんなとうちわらひていたきあ 【注① 「指貫袴」の略。裾のまわりに通した紐をくるぶしの所でしばるようにしたもの】 【注② 陰陽師、神主などが禊(みそぎ)または祈祷の時に用いる紙製の人形。これで身体を撫で、罪・けがれ・災いをこれに移して、身代わりに川」などに流した。】 【注③ 髀(もも)或は腓(ふくらはぎ)と思われる。どちらも音は「ヒ」】

現代語訳

【右丁】 憎らしいと思われるほどになってしまったことよ。何事も前世の因縁によるものだったのだと言って喜ばれた。まだ幼い音頭の心の内で、つくづくと思ったことは「ああ、姫君はあれほど深くお思いになっていたのに、中将殿がこのようにお忘れになってしまった悲しさよ。恐ろしい心だなあ」と思って袖を濡らしたのだった。 それにしても、梶木卿殿の影響で御不例(病気)の気持ちがおありになったのか、二月になられると香を焚かせ始められた。東の中将については、帝が冷遇して遠ざけられ、いつとなく梶木卿殿にのみお籠もりになるので、面白くないとお思いになって 【左丁】 内裏へも参上なさらず、十楽公に召されても参上されないので、帝がお怒りになって「東宮では暇のないことであるのに、いつとなく里にのみいるではないか」とおっしゃったので、参上された。春の夜の月が曇りなく照らし、風も穏やかで花盛りの美しい時節、のどかに車を走らせていると、指貫袴の裏に堅いものが当たった。何だろうと思って、六位の臣を呼んで見せられたところ、取り出して見ると、中に五、六寸ほどの人形があり、腿を振り上げて詳しくこれを見ると、男と女が笑い合って抱き合っている

英語訳

【Right page】 "How hateful this has become! Everything must be due to karmic connections from previous lives," they said with joy. In the heart of the still-young Ontō, she thought deeply: "Alas, the princess thought so deeply of him, yet how sad that the Middle Captain has forgotten her in this way. What a frightening heart he has," and she wetted her sleeves with tears. Moreover, perhaps due to Lord Kajiki's influence, he felt unwell, and when the second month arrived, he began having incense burned. As for the Eastern Middle Captain, the Emperor treated him coldly and kept him at a distance, secluding himself only with Lord Kajiki at all times, which the Captain found disagreeable. 【Left page】 He would not visit the imperial palace, and even when summoned by Lord Jūraku, he would not come. The Emperor became angry and said, "At the Eastern Palace there are pressing matters, yet you remain constantly at your private residence." So he finally came to court. On a spring night when the moon shone without clouds, the wind was gentle, and the flowers were at their peak—a beautiful season—as he rode leisurely in his carriage, something hard pressed against the lining of his sashinuki hakama. Wondering what it could be, he called a sixth-rank retainer to examine it. When taken out and inspected, there was a paper doll about five or six sun in length, with its thigh raised up. Looking at it closely, a man and woman were laughing together and embracing each other.