翻刻
【みん翻と無関係に作ったものを転載しているため、ふりがなと、適切な改行を欠く状態です】
ちあたるならは。此御寺の太鼓は何とし給ふぞと申ける。一休聞給ひ。さればとよ夜昼三度づゝ。ばちあたる間。其方へも太鼓のばちをあて申さん。皮のはかまきられける程にとおどけられけり。
其後かの旦那養叟和尚を斎によぶとて。一休も御供にと申。かの返報せばやとたくみけるが。入口の門の前に小橋有家なりければ。橋のつめに。高札をかなにて書立ける
此はしをわたる事かたくきんせいなり
と書付ける。養叟斎の時分よしとて。一休をめしつれかの人のかたへ御出あるに。橋の札を御らんじて。此橋わたらでは内へ入道なし。一休いかにと有ければ。一休
申さるゝは。いや此橋渡る事と。かなにて仕たる間。まん中を御渡り候はゞ。子細候はじと申されける。実もとて真中を打わたり。内へ入給へば。かの者出合。きんぜいの札を見ながら。いかではし渡り給ふぞと。とがめければいやわれらははしはわたらず。真中を渡り候と仰られければ。亭主も口をとぢ侍るが。何がな御小僧に。ふしん申さんとて。又いわく。凡沙門のかたちといつは。にんにく二体の衣をき。さいしやうさんげのけさをかけて社。僧とは申べけれ。いかに小僧なりとて。俗委の出立心得がたく候と申せば。おさなけれども一休。歌一首よみてこたへられける。