翻刻
【みん翻と無関係に作ったものを転載しているため、ふりがなと、適切な改行を欠く状態です】
云心かといふ。いやさにはあらず。おとごせのこと也との給へば。扨もめづらしき事哉。誠に三平は。両の頬と鼻。二満は額と頤よ。おもしろき故事也。去ながら女共にきかせば。一休様をつめり申べし。とわらひてかへりける
【蜷川新右衛門 はじめて一休にあふ事 付 歌少々】
『四』一休の時代に蜷川新右衛門丞親当とて有けるが。禅法に身をやつし。心をなやましけると也。一休の発明なる事を聞及びて。道師とたのみ奉るべしとて。或時一休の庵室へたづね行て。此木の扉をほと〳〵と叩く。折節一休出給ひて。いかなる人ぞと問給へば。いやくるしも候はず。仏法修行の大俗参て候と申されければ。一休はや問給はく
なんぢはいづくの人ぞ 答 云和尚と同国
国には何事もあらぬか 鴉かう〳〵雀はちう〳〵
こゝはいづくとかしるや 紫に染めたる野辺
いかんとしてか染けるや 尾花 庵 紅菊 紫蘭
ちりての後いかん 宮城野が原
原には何事か有 水は流て沈々風は吹て颯々
よきかなやこれへ〳〵と請し茶をまいれとて一首
なにをがなまいらせたくはおもへども
だるましうには一物もなし
親当返歌
一物もなきをたまはるこゝろこそ
ほんらいくうのめうみなりけり