chinjuhさんのお気に入り

コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(元禄十三) - 翻刻

一休はなし(元禄十三) - ページ 29

ページ: 29

翻刻

【みん翻と無関係に作ったものを転載しているため、ふりがなと、適切な改行を欠く状態です】 蛸(たこ)をまいりけるが。是(これ)はいかになまぐさ坊やと。あざけり わらひければ。一休すこしもさはがず。いやとよまつたく 蛸(たこ)をたべね共。口より出ればせん方なし。さりとてはく わぬと。まつくすみになりてあらがひ給へば。たちまち口 より吐(はき)出しながら。くはぬとあらがひ給ふかや。いよ〳〵 聞へぬ御坊やと。おどりあがりてわらひける。いで〳〵 わごぜ達に。其しやうこを見せ侍らんとて。百万遍に 引つれ行く。善導法然(ぜんだうほうねん)の画像(ぐはざう)を見せて。あれ見 給ひたるか人々よ。抑 善導(ぜんだう)のあみだをくひしためし はあるまじけれ共。三尊口より出給へり善導大師 さへ。口よりいづればせいしがたし。まして愚僧(ぐそう)が口より たこの出る事。さらにせん方なしと仰られければ。みな人 御 頓作(とんさく)なる御 返答(へんとう)やと口をとぢてかへりける 【一休、魚をくひて高札を立給ふ事】 『九』一休和尚は。生仏にて。魚をまいりて水中へはき出し給へば。其魚たちまちいきかへりて。もとのごとくになると洛中に此事専なりと。或人来りて。かたりければ。一休おかしくおぼしめし。洛中の辻々に高札をこそあげられける。そのことばにいわく   来るいついくかの日。   むらさき野。さがり松のほとりにおゐて。   魚をくひて其まゝもとの魚にはき出し。   水中におどらさしむ事也。   御望のかた〳〵御見物に待奉     太夫は天下老和尚一休大禅師