翻刻
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章句也。一句の内に。二つの色字。二つの所の名。いかなるへうたんの川ながれのかる口も。少はしぶりこぶりし給ふべしと。思ひしに。貝とるあまならで息もつぎあへず付給ふ。かゝる名対ある上は。はちやこはしとて。空うそふひて尻をからげてにげられけると也
【一休、土佐守が掛絵に讃を書給ふ事】
『十一』或人画書の土佐守に。内々掛画を一ふくたのみければ。終にかきてつかはず。彼人心せきて。直に土佐が宿へ行て申されければ。折ふし太鼓うちにはあらねど。ひるねをしてこそ居けれ。かの人つね〳〵したしくかたる中なり。又内々頼みおきし事なれば。引つりおこしかかされける。土佐眠るにたへたり。たとひ一夜ねずと成共。晩に書て参らせんとて起きず。しかれ共又晩といはゞ。明日か川の渕瀬と。心がはりもやせん。世中なり。ひらにといふ。是非なく筆をとり。くる〳〵とまはして。はけおつとりさつと書く。これ〳〵とてふせりける。
望み足ぬと其画を取てかへり。ひねくりまはしてみれ共。何共更に体なく。水を書て。其中に一筆くる〳〵としたる物有。さらに見わけられず。余に合点ゆかざれば土佐方へもたせつかひ。何なると問ども。我らもしらずと云。かゝるゑを持て何かせん。引やぶらんと思へ共。三国一出来たり。とやせんかくやあらましと思ひけるが。いや〳〵一休和尚に賛をこひて。掛物にせばやといそぎ大徳寺へはしり行。一休に