翻刻
【みん翻と無関係に作ったものを転載しているため、ふりがなを欠く状態です】
事をすこびて。問あやつられける。すべてらかんのみに有べからず。
【一休、元三のあしたしやれかうべを引てとをる事】
『十三』元三は。歳のはじめ。月のはじめ。日のはじめとて。一
天四海の人々。かしこきも愚なるも。愁あるも。愁なき
も。貴きもいやしきも。いわひかざる事かわる事なし
とみゆ。屠蘇白散には。どぶろこなり共。髭につけ。お
かゞみすはるとて。尻餅なり共つきてそれ〳〵にいわ
ひませるありさまは。まことにきのふにかわりたるには
あらね共。空のけしきものどやかに。霞わたり。大路の
さま松立わたし。家にはながき代のためしといふ。しめ
なわを引まはし。昨日の夜半迄。人の門たゝきて。何
事にかあらん。こと〳〵して足を空にまどふが。たゞ一夜
あけぬれば引かへ。心もゆる〳〵と。又共晦日の来るべき心
もなくて。のべの小松に。千代万世をいはひそめ。いつ死ぬ
べき物とはなしに。万の事をいみおそれ。朝の露に名利
をむさぼり。夕の日に子孫を愛し。蟻が磨をめぐるがご
とく。おなじ事をくるり〳〵と。五百八十年七まがりと。い
わひて。世を秋風の心は。露ちりほどもなき人心を。一休
おかしく思し召。誠におろかなるかな。槿の晷まつ間をも。
さかり久しき花とながめ。がげろふの青天に羽をふる
ひて。たのしむ間もなき世の中に。くそにはくぬる正
月ことばや。たゞ時の間の煙共なりなんと。打見るより思は
るゝ。いで物見せん人々よと。はかはらへゆきて。しやれか