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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(元禄十三) - 翻刻

一休はなし(元禄十三) - ページ 38

ページ: 38

翻刻

【みん翻と無関係に作ったものを転載しているため、ふりがなと、適切な改行を欠く状態です】 のべがたく。けつかうを尽し。其日になれば。数万の見物かの導師を聞べけれと。おしあひへしあひしけりとなり。扨玉のこしをかきすへければ。一休立出給ひ手。龕の前に一黙し給ふ。諸人今や〳〵と。耳をそばたて居るに。一言をもいひ給はず。天をみて口をひらき。地をみて口をふさぎて。さつと引こみ給へば亡者のみだいきん達をはじめ。一門家来の人々。是はいかなる御事やらん。せめては一句をしめし給はれと。御衣の袖にすがりつく。諸人の興をさましければ。一首の歌をよみて。都をさして上り給ふ。人々ぜひなく其御歌をみれば   我はたゞ後世のをしへをしらぬなり   あうんの二字のあるにまかせて  と侍り給へば。皆人是を聞て。あともうん共いはれざる御僧かなと黙してかんじあへりしとなり 【一休、宗々より祖師の讃を頼む事 黒谷 法花 永観堂 】 『十五』一休和尚は天下の活僧なりしとて。諸宗もをしなべて。たつとびける。いつれの上人も長老も。あがめ給はずといふ事なし。 有時黒谷へ御参り有しに。寺中の人々一休をみ奉り。今の世に活仏と。人ごとにいへるは。此禅師なり。よき折からなれば。いざや当寺に侍る。善導法然の画像に讃を頼み申。かの念仏無間とてあざける日蓮宗に見せて。高言せばやと思ひける。寺中一同に然るべしと相儀して。やがて一休を方丈へ請じ申。