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コレクション: とりあえず気になる

一休はなし(元禄十三) - 翻刻

一休はなし(元禄十三) - ページ 7

ページ: 7

翻刻

仰られければ。祖父祖母との咄よりしらぬ我 なれば。果しこまりたりとは申せ共。山へ洗だくし に。川へ柴かりにと申ければ。ふるめかしの咄やな。 いで此寺の先師一休和尚の放気咄して聞す べしとて。ひた物かたり給ふを聞ば。我も人も覚へ たるはかたことまじはりなり。扨も面白や。有がたやと 思ひて。忘れては大事也と。葛紙の雑紙の皺を にばす、書付帰りてみれば。えこらへぬ者也。又参り て承り。そろり〳〵と鼠の塩なむるがごとく。聞 覚へ帰りては猫の爪とぐがごとく書付二三冊と なして一休咄と名付秘してけるが。或時又御寺 へ参りおかしき達に問けるは。扨も一休和尚はい かなる御僧やらん犬うつ童。牛つかむ男まてよく 知申候といへば。それ一休和尚は後小松院の二宮なり。世 人の口に有歌にも。後小松の二葉と詠ぜられけ る也。誠いともかしこき人にてまし〳〵けるが。高き御位 をもふみちらし。大内を跳出て。十宗をたゞ一目に目 眼付。達摩宗となり給ひて。九年面壁をも賊の あとの棒ちぎり木と見立て。其身はあさがら程 にも思はず。うき世をば。へうたんよりかるくもてな し。邪なる萌なく。竹二つにわりたるがごとくの御志な りし也。路人の碑にあれば舌の頂の隙とし侍ると