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たからとし給はんやと問給ひしに。御先二人は此壁にま
さるたからは又あらじとの給ひけるに。遠磨大師はも
歳にて。一の乙皇子なりけれ共。此玉は世宝にて。爰
にあらず。智光の珠こそは。又なき実なれとてかの珠
をなげうち給ひければ。尊者おどろき。かゝるいとけな
き身として。ふしぎなる人かなとく。則御名を達磨
と付られける。はじめは菩提多羅と申せしとかや。
達磨とは。万の事に達し通じく。みがき立たる様
なる人なりとの心とかや。しかれば胎道は老若にはよ
るべからずと。手を打。かの老僧をわらひ給へば。老僧
も衆中にてこみつけられ赤面しく申されけるは