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一休はなし(元禄十三) - 翻刻

一休はなし(元禄十三) - ページ 91

ページ: 91

翻刻

【ほぼほぼOCRのままです】 ばしける。みな〳〵ふかき事もにてあらめといそ ぎ登山して学匠に見せければ。各別のおとけ 事有しかは。又ひじり共口をえふさがぎりけると也 【一休、熊野にて山形の詩を作り給ふ事 付 東坡径山寺 の詩の事】 『五』一 休和尚(きうおしやう)ある時 熊野(くまの)山へ御 参詣(さんけい)まし〳〵て本 宮(ぐう)へあかり給ふ。比しも春(はる)の半過行なれば山々谷々 の桜(さくら)の花(はな)。都(みやこ)の二月の比(ころ)よりもいとめぐたかりけり。 拝殿(はいでん)によぢのぼり。四 方(も)の風色(ふうしよく)をながめてまし〳〵 ける所へ。社僧(しやそう)一人出て。客僧(きやくそう)はたゞ人と見参らせ ずと申ければ。中〳〵我等はたゝ人にては候はず。出家にて 候と仰られしかば。彼(かの)僧さてもよき御口かなと。一つ 二つ物語しけるが。一休(きう)高野山(かうやさん)の詩(し)の事。おほしめし 出され。此山にても。一首つくりてなくさまんと。其 まゝあそばされける。彼 僧(そう)に硯紙(すゝりかみ)をこひ書(かき)つけく 宮前(くうせん)にそなへ給ふ       山里敬光     山瀧吟落碧三   山海波高船片雲社 山廟等一扶桑神片漲景 山客成群数万人輪塵春   山楼鐘動月輪悩宮     山谷洗流煩本       山花猶馥   一休老人偶題