翻刻!いきもの図鑑

コレクション: 本草図譜(くずし字)

本草図譜. 巻40-42 - 翻刻

本草図譜. 巻40-42 - ページ 45

ページ: 45

翻刻

【右丁】 狼尾草(ろうひさう)  みちしば ちからしば  いぬつはな《割書:若|州》  一名 莨(らう)《割書:通|雅》   狼莠(らうしう)《割書:同|上》 一種  白色の物 【下・「狼尾草」の説明】  原野(けんや)道傍(みちはた)に多(おほ)し一(いつ)  根(こん)叢生(さうせい)し葉(は)は麦葉(むきのは)  に似(に)て長(なか)し其根(そのね)地(ち)に  入(い)ること堅(かた)く■(ぬく)【注】べからす  故(ゆへ)にちからしばの名(な)あり  秋月 穂(ほ)を生す形(かたち)狗(く)  尾草(ひさう)の穂に似(に)て長(てう)  大にして紫色の長(なか)き毛(け)  ありて狼(おほかみ)の尾(を)の如(こと)く  其毛(そのけ)ことに本(もと)に一子  あり円(まる)くして長(なか)し 【左丁 文字無】 【注 ■は「抜」ヵ「祓」ヵ。「禾」の上から「扌」を書いているように見える。ルビの「ぬ」も別の字から書いたように見える。】 【十八行下から一字目「狗(く)」は「狼(ろう)」を消した上から書き直している】

現代語訳

【右丁】 狼尾草  みちしば ちからしば  いぬつばな《若州》  別名 莨《通雅》   狼莠《同上》 一種  白色のもの 【狼尾草の説明】  原野や道端に多い。一つの  根から叢生し、葉は麦の葉  に似て長い。その根が地中に  入り込むのが堅固で抜くことができない  ので、ちからしばの名がある。  秋に穂を出す。形は狗  尾草の穂に似て長く  大きくて、紫色の長い毛が  あって狼の尾のようである。  その毛の特に基部に一つの種子が  あり、丸くて長い。 【左丁 文字なし】

英語訳

【Right page】 Wolf-tail grass  michishiba chikarashiba  inutsubana《Jakushū》  Alternative name: rō《Tsūga》   rōshū《same as above》 One variety  White-colored type 【Description of wolf-tail grass】  Common in fields and along roadsides. It grows in  clusters from a single root, with leaves resembling  barley leaves but longer. Its roots penetrate  the ground so firmly that they cannot be pulled out,  hence the name chikarashiba (strong grass).  In autumn it produces ears. The shape resembles  foxtail grass ears but longer and  larger, with long purple hairs  like a wolf's tail.  At the base of each hair there is a single seed,  round and elongated. 【Left page no text】