翻刻!いきもの図鑑

コレクション: 本草図譜(くずし字)

本草図譜. 巻40-42 - 翻刻

本草図譜. 巻40-42 - ページ 55

ページ: 55

翻刻

【右丁】 《振り仮名:𦬣草|ばうさう》 みのごめ ゑつたむき はるむき    一名 䔇(き)《割書:通|雅》  䔮䓆(しせつ)《割書:同|上》 《振り仮名:■米|いんへい》【■は艹+囙・茵ヵ】《割書:証類|本草》    守田(しゆてん)《割書:爾|雅》  溝側(みそのかたはら)或(あるい)は田地(てんち)に生(せう)す宿根(ふるね)枯(かれ)すして春(はる)早(はや)く葉(は)を生(せう)す形(かたち)細長(さいてう)にして看(かん)  麦娘(はくしやう)《割書:やりん|ほう》の如(こと)く茎(くき)を抽(ぬきん)すること数寸(すゝん)或(あるい)は一二尺 葉(は)互生(こせい)す梢(こすへ)に長(なか)き  穂(ほ)をなす枝(ゑた)ありて直立(ちよくりつ)す円(まる)く扁(ひらた)なる小子多く重(かさな)り著(つ)く初夏 熟(しゆく)して  白く落(おち)て自生(しせい)す村民(たみ)子(み)を採(と)りて糊(のり)となす又 屠者(ゑつ)子実(こみ)を採(と)り飯(はん)  となし食(くろ)ふ獣肉(しうにく)の毒(とく)に中り発熱(はつねつ)するを解(け)す故(ゆへ)ゑつたむき等(とう)の  名(な)あり皇守田(くわうしゆてん)爾雅(しか)の《振り仮名:𨜟注|ていちう》【𨜟は鄭ヵ】に即(すなはち)童粱(とうれう)也(なり)一種 米(こめ)《振り仮名:得_二数粒_一而|すりうをうれとも》  《振り仮名:易_二墜落_一|ちつらくしやすく》明年(めいねん)復生(またせうす)故(ゆへに)《振り仮名:謂_二之守田_一|これをしゆてんといふ》と《割書:云| 々》 【左丁 文字無】 【七行八字目「抽」のルビ「ん」は別の字の上から書いている】

現代語訳

【右丁】 《振り仮名:𦬣草|ばうそう》 みのごめ えつたむぎ はるむぎ    別名 䔇(き)《割書:通|雅》  䔮䓆(しせつ)《割書:同|上》 《振り仮名:茵米|いんべい》《割書:証類|本草》    守田(しゅでん)《割書:爾|雅》  溝の側や田地に生える。宿根が枯れて春早く葉を出す。形は細長くて麦娘(やりんほう)のようで、茎を数寸あるいは一、二尺ほど抽出する。葉は互生する。梢に長い穂をなす枝があって直立する。円く扁平な小さな実が多く重なってつく。初夏に熟して白く落ちて自生する。村民は実を採って糊にする。また屠殺業者は種実を採って飯にして食べる。獣肉の毒にあたって発熱するのを解毒する。そのため「えつたむぎ」等の名前がある。『爾雅』の鄭注に「即ち童粱なり」とある。一種の米で、数粒しか得られないが墜落しやすく、翌年また生える。そのため「これを守田という」と記されている。 【左丁 文字無し】

英語訳

【Right page】 《Furigana: 𦬣草|bōsō》 minogome etsutamugi harumugi    Also called 䔇 (ki) 《Interlinear: Tong|ya》  䔮䓆 (shisetsu) 《Interlinear: Same|as above》 《Furigana: 茵米|inbei》《Interlinear: Zhènglèi|Běncǎo》    守田 (shuden) 《Interlinear: ěr|yǎ》  It grows beside ditches or in fields. The perennial roots die back and leaves emerge early in spring. The shape is elongated like wheat maiden (yarinpō), with stems extending several sun or one to two shaku. The leaves are alternate. At the tips are branches with long spikes that stand upright. Many small, round and flattened seeds cluster and attach. They ripen in early summer, turn white, fall, and self-seed. Villagers collect the seeds to make paste. Butchers also collect the seeds to make rice and eat it. It counteracts poisoning from animal meat that causes fever. Hence the name "etsutamugi" and others. According to Zheng's commentary on the Erya, "it is童粱 (tōngryō)." It is a type of rice that yields only a few grains but falls easily, and grows again the following year. Therefore it is called "shuden" (guardian of the field). 【Left page No text】