あいおいニッセイ同和損保所蔵災害資料を翻刻する

コレクション: 災害の記憶展

鯰に金銀を吐かされる持丸 - 翻刻

鯰に金銀を吐かされる持丸 - ページ 1

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翻刻

【一段目】 盲人 「てもさてもいくじは  ねへせつかくこうり  をかしてためたこの  かねをせめては▲ ▲ もと きんば かりても のこして くれゝば いゝにそれ までとは たまらねへ じしん 「なんとどうたこう  ゆすぶつたらありつ  たけたさずはなるまい  さあいまゝでためたその  かねをのこらすはきだして  しまへそうするとおゝくの人が  よろこぶわ かね持 「あゝせつねへせつかくしほをなめてためた  このかねをのこらずはかしてしまうとは  なさけねへしかしためたときよりまことに  せわなしにでゝしまつた 【二段目】 かね持 「やれ〳〵きさまははいたかおれはしりを  ふまれるゆへみんなくたつてしまつた  いましい 【三段目】 「諸(しよ)しよの人よろこぶこゑこや〴〵  かや〳〵〳〵わんや〳〵〳〵〳〵 いしや 「やれ〳〵これは  こていねいに  ぐちし【?】までこゝへ  おだしくださるとは  かたじけない