翻刻
尓して入連《割書:蚕種紙の端へ糸を付け|釣置なり是は気を洩す?也》其家の床の
上か又は穢しからぬ処尓て壁際を除
秋はしめまて掛置夫より取仕舞箱
箪笥の類へ入置其年の寒入以後午の日
を選《割書:養蚕尓午の日を用る事周礼鄭玄か註尓|蚕は馬と気をおなしふ春と云事阿り是尓本づくか》右の蚕
種を目形尓掛其裏へ何匁何分と書卯清らか
那る桶へ清水を汲入連漬浸へし夫より
毎朝水を汲替右の古とく三日不と漬飛たし
四日目尓取揚爐なと有て暖なる座敷へ新
敷菰をしき其上へ並扁置大氐水滴の乾
を見合穢からぬ処へ掛置はしめの目形より
軽目尓なる迄能干へし《割書:かくの古とく蚕種を寒漬|尓春れは後風寒の恐れなし》
《割書:と云ふ》厳寒の節は火鉢を置遠火尓して
蚕種の凍らぬやう尓取置へし去なから火勢