翻刻
いづるどふじ御覧んしてさらはへんとう申さんと
筆□こくうになげさせ給へはうき雲に雲と言字を
書給ふ弘法御覧んじていかにどうじ雲と言字に
たつとてんうつ物を何とて文字かたわになし給ふ
どうじきこしめし辰と言てんうてはしゆみせんの
ふと七ゑにまきたる辰のまなこうたれとてながす
涙大水と成てあまつ島の弘法となし給ふいた
わしめにわざとてんを略して弘法きこしめし
ながれ候はゝ此方の計也いそきてんうち候へ《見せ消ち:童子》
とうじさらはと点うち候得はあんのことく
辰の二つの眼うたれとてながすなみだ大水と成
うてうてんかき曇りたるとみへ給へは弘法思召は
いやながれせんなしとこうめふと言字を石に書川
上へなげさせ給へは石則岩と成りこんがうせん
のふもとてんぢく六万里つき渡すどうじ御覧ん
してしゆしやうに候今は何おかつゝむへし天ぢく
のもんしゆとは我事成とのたまへはこくうをまねを
かせ給へはうてう天王しゝを引廿五のぼさつおん