翻刻
れなる小僧は何国の者ぞと仰けるさん候【?】それ
がしは日本四国讃州の住人くうかいと申沙門
にて候天ぢくもんしゆの御寺拝み奉らんため是
迄参り候とうじきこしめしおろかなる此川
と申はもろ越はくさいこくより水の上六年六月
になかれ出る川也ふかきひろさ八万ゆしゆんの川
むかしもけんしやう三そう【玄奘三蔵】と申人左右のはつこつ
をもつて七度渡しか七度ながら渡りへず御身趣
能見るにせひちいさくいろくろく其身ふじやうに
して此川渡り給ふ事思ひよらすとわらひ給ふ
弘法はらを立我てうは万里にもたらぬ小国にては
日をかたとる国なり天ちく其名高しと申せ共
月をかたとか国なり先うるしは色黒して万民
の宝と成る金は少しと申せ共その両かるかるからす
硯筆は小しと申せ共天下の事を書しるも壱
寸針小しと申せも天下のいしやうを縫通す尤
それかしせひちいたく色黒とも文字のせん□□□
参らんと弘法と言字を書とふじに□□□□【破れがあり、次のコマが見えている】