翻刻
垣境は水にて押破り家々内にて見通し目も
あてられぬ事共也
一小日向に前田十左衛門と申大御番森川下総守殿
組の由右之仁長屋も本屋も土蔵小家まて
不残水に流行命から〳〵の躰にて助り候へ共
家来水におほれ死たる由風聞也
一小石川まて長次郎九郎と申一位様御廣敷番之
頭急に水押来家来五六人水に溺れ死申候由
小石川も菊坂下春日町辺の水前に出せり
一小石川御門土手之上水通り候跡有青竹芝も
外にきつはりと跡見へ申候土手の上三四尺も上りなは
土手越可申候土手を越候ハヽ小川町は水中に成
可申候小川町衆仕合なり依之小石川水道橋と
上口ゟ大分水押込申候上水の箱みちんに押破流
行申候
一小石川筋にて誰とは不知女人浮ぬ沈ぬ流来り所宮崎
源次郎家来鳶口にうちかけ引上其人を尋けれは
何某の内方の由にて早速彼宅江送りかへさるされ共