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コレクション: STAGE4

享保十三年江戸洪水記 - 翻刻

享保十三年江戸洪水記 - ページ 14

ページ: 14

翻刻

 鳶口の先身の内へ打こまれ其疵不愈して日数  十日計過て死去の由風聞也是は流れて水に  溺れ死なんゟはましかといふ人多し実に海へ流れ  行たるは魚鼈のゑじきに成へき也笑止千万  なる事共也されは鳶口引かけ水より女人を引上  たる事前代未聞也乍去元暦年中に平家  西海の波の上に漂泊して源平戦ふといへ共平家  つひに打負平氏の一族或はうたれ或は海に沈  しかは女院も御身を投たまひし時源氏の武士    熊手にかけ取上奉りかひなき御命助け奉候と  書伝も有されは熊手にかけ上奉りし事はあれと今  度は源次の家来鳶口にて引上たり熊手はむいし  の物語是は今年九月二日の事也時節とやいふへ  き又過去の因果にても有やらん誠にいたましき  事共也 一小石川の方へ流来る死人其数知らず或は流るゝ  家の屋ねに乗なかれ橋杭にあたり家みい?【「ち」の誤記ヵ】ん  に成り人もともに流れ行多し又かや屋ね