翻刻
口惜し我可致様有とて衣服脱捨はたかに成
水中へ飛込水の上をやおよぎけん又水底
をやくゞりけん三町斗先の小高き所に
才庵医の弟子居られたる所へおよき行筏
を拵右の筏に乗り迎に来り土蔵の窓を切
破り皆々引出し不残命助られ候其時水既に
土蔵の二階にて首丈有しよし扨々危き事
共也才庵は水練の名人と見へたり年も八十歳余
なり才庵水練なくんは蔵の内にて皆やミ〳〵と水死
すべし水練は人毎に心得たきもの也是奇妙
なる事ともなり
一津軽松庵父は意山とて先年はやりたる
医師之由其子也松庵宅は龍慶橋ととんど橋
の間の堀端にあり毎度大雨の節には色々の
物流来るを家来とも門前へ出て取上けり今
度二日の大雨にて流るゝ物多しいまた水かさ左
まてなき時真先に長き箱流来るを待受引
上みれは三重のあめ箱也内に飴一はい入て有