翻刻
何も咄なり手廻して早く梁や棟木へ釣上ら
れしはよし扨持て出て差上のけられしは
残り候腰にさしたるさへ水腰より上え着たれ
はさやの内水入鞘破れ即時に錆出候也
柄なとも糸のめへ泥はいり日にほし候へは泥
糸にて中々指料には成り不申具足も
糸泥に成り干ても糸の目へ泥入り尤かぶと
其外小道具共に方々ぬりも漆はげ中
〳〵始終あの通にて置れましくと承り候
糸の色は皆さめ申候衣服は色の物は皆さめ
外へ色うつり綿へも泥しみこみあしき匂して
何のやくにも不立由也土蔵は土落腰まき
のしつくひぬりの土蔵さへ土みな落つふれ
たり佐野六右衛門咄にて承り候家々は壁
落板敷はね上り家共大かたならすひづみ
たり雪隠も井戸もせなも皆一ツに成り
其水家に一はいに軒へ着たれは書物なとは
一ツにかたまり大切の御用書物なとへも水入