翻刻
水も大分有之沼也右之沼を近年新田に
取立られ段々出来るに依て水をとめ土手
を築中に道を付たり故に近郷の百姓共
数十年此沼の水を請作来る所に水なく
及難義間利根川千川の水を遠くゟ
水道を付引所に当度の長雨段々降つゝき
朔日二日大雨にて彼大河の水押破り新田
御取立場もみぢんに成井の頭の池え押来り
井の頭の水一ツに成り上水大に溢れ割下水
二筋共に一ツになり上水を大水の流れ道にて小
日向え真先に水押込申候也
一惣して当年雨年と見えて春に夏の内も聢
と三日は照り続きたる快晴は不覚位なり
水気有りと見へて江戸高き所の分駿河
台筋小日向の台白山の上四ツ谷麹町番町
筋之高み御弓町辺本郷本村加賀屋敷
五段坂の台此所の井の水大かた長き柄杓
にて汲れさりなる位也手前井なとも土際ゟ