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コレクション: STAGE4

享保十三年江戸洪水記 - 翻刻

享保十三年江戸洪水記 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

 前代未聞の事也水は段々来る間高き所へ逃るも  有或は親類縁者の方へ取物も取敢す貴賤男女  僧俗老少逃散る事数知らすこれやこの急火に出  合焼来る火に追れ逃るに異ならす火事は衣服も  改め頭には物をかふり或は長刀又は刀脇差を女中も  帯し退行共今日の水は衣服をあらたむる間も  あらはこそ髪の上よりあたまくたしにつふ濡る濡た  る衣服ぬれなり二立の侭にて水にひたしたる如くに  濡しよほたれかちはたしにて老女小児はなき顔に    なりて逃行有さま笑止千万なる事共也され共  早く退たる衆は命に無恙道具にかまけあるひは  油断して遅く退たる衆は怪我有たると風聞也  惣して火事も水も欲を可離事肝要也 一小日向ゟ牛込辺小石川御門近辺水戸の御屋敷  廻り牛天神下の水高サ壱丈弐尺程といへり 一水戸御屋敷水の高サ表御門通り御長屋二階  の窓の上縁より四五寸も上に水の付たる跡有二階之  窓より水押込候と申咄也御屋敷東の方瓦壁