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コレクション: STAGE5

凶荒図録 完 - 翻刻

凶荒図録 完 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

伊豫国伊豫郡筒井村(いよのくにいよごほりつゝゐむら) の義農作兵衛(ぎのうさくひやうゑ)なる 者(もの)は禀性朴直(うまれつきすなほ)の ものなり享保(きやいほ)十七 年(ねん)の凶歉(きようけん)に当(あた)り 民庶流離飢餓(みんしよりうりきが)の 災厄(さいやく)に遇(あ)ひ田畝(でんほ) 荒蕪(くわうぶ)して種麦(たねむぎ)すら 食(く)ひ殲(つく)すに至(いた)れり作兵衛(さくべい) 謂(いへ)らく農(のう)の家(いへ)に生(うま)れたとへ死(し)するとも 種穀(たねこく)を殲(つく)すの理(り)なしと終(つひ)に種麦(たねむぎ)を 枕(まくら)として餓死(がし)す是(これ)が為近傍(ためきんばう)の農家右(のうかみぎ)の 種(たね)によりて播種(はんしゆ)する事(こと)を得飢餓(えきが)を免(まぬ)かれ たり後藩主其節義(のちはんしゆそのせつぎ)を追賞(つひしやう)し作兵衛の 子孫(しそん)をして年頭(ねんとう)の礼(れい)を許(ゆる)し庄屋格(しやうやかく) 三人|扶持(ふち)を與(あた)へられたりとぞ