みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

肥前國島原領普賢山大変記 完 - 翻刻

肥前國島原領普賢山大変記 完 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

して御部屋頭分と成家屋敷を賜ハり取立の家な れハ武具馬具も所持すましと御蔵より賜ハり諸道 具金銀米銭数を尽して拝領し出頭類ひなし元 来邪智ものなれは表ハ謙退質素と見セて奢無 礼法に過たりされ共御寵愛の親なれハ家中 無念を捍へて通しけれは日ニ増威勢盛也寛 政三年亥夏今迄住し家鋪に別業を建 むとしけるに此家の裏山の根に狐穴あり爰を築 山に構へんと差図セしニ坪の内に狐を置ん事 見苦しかるへし明日此穴堀崩し申へしと云付け るニ其夜夢に告たるハ我此所ニ住事数百年也 堀崩さんとハ近比迷惑也小き社にても建て給ひかし いよ〳〵立身加増を守らんと申ける夢見て弥三 右衛門大ニ憤り扨〻憎き狐め哉穴を堀崩さんとな らは詫言ハセすして社を建よ我立身を守らん 抔とは言語同断推参千萬我汝を頼んや其儀な らハ目に物見せんと穴の口を塞き四方に薪を積て 焼立ける其後穴を見るに犬に一かた大き古狐焼 死居たり夫狐と云物は人の弱きに付込んて種〻 怪敷事をなすもの也我を見損しよき死様と 要口し益家造をなしにける斯て荒川玄順か 忰ハ母か与し玉をねぶり食とし夜ハ抱きて臥し