みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

肥前國島原領普賢山大変記 完 - 翻刻

肥前國島原領普賢山大変記 完 - ページ 6

ページ: 6

翻刻

にしへの四郎か再来にやあらんと取〻評判す父玄順 も今子ある中と成しかも女が出所も語らす忰が 様子人の評はんも無理ならす安部の保名か妻の 野干にてやあらむといとゝ不審はれやらすためし みんと思ひよりしそ是非もなき或時妻ニ向ひて 我ハ今日遠方行いたす間夜半に帰るべしもし 隙取候ば明て帰るへし能〻留守し給へと立出其後 密に立帰り家の内を伺ひ見るに妻見へす 奥の方に鼾高く聞へしかばさし覗き見るに 二丈計りの大蛇臥居て雷の如き鼾して有けれ ハ玄順大ニ驚き是は妻を喰しにやとハット云て飛 出暫く気を静めて立帰りし振にて妻を呼けれは ハつと答て立いで今宵は帰るましく仰有しか早く 帰らせ給ふといふされハ今宵ハ明日ならでハ帰らし と思ひしに行先の人に道ニて逢先へ行すして帰 りしといへは妻申様そなた様には御気もしにても悪 敷御座候哉御顔色あしく御声震ひ御言葉はそゝろ なり扨私去年よりの御情可奉報やふもなく 剩御子までもふけ天ニも地ニも替かたく奉存候へ共 御縁尽御別れ申さねはならぬ身と成候へハ御|暇(イトマ) を給はるへしと涙と共にいとまを乞我馴染て千代 万代迄も替らしと契り思へ共縁尽添かたきとあ