翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物世界夜半嵐 : 3巻 - 翻刻

化物世界夜半嵐 : 3巻 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

さてもしゆはんは じやりんをかへりぐいに せんと手したに いゝつけやりさだ めていまころはくい ころしてしまひし ものならんと ゆだんしてゆう〳〵と ほらあなにいる所へ おもひかけなく さとりとじやりん ふみこみきたり おやのかたき じんじやうに せいぶせんと なのりかけられ せんかたなくじや りんにくひかゝる 【左ページへ】 うちさとりは てしたのばけもの どもをすけぐい       して たちかへりみれば じやりんてきづを おひたるうへなれば あうあうくみやるにたまり かねすけぐいごめんと くらいつけばしたりと じやりんもつけ いり〳〵つゐにしゆ はんをくいふせ ほんもうをとげ ぬればじやぐわんの すがたこつぜんと かげのごとくに あらわれいと うれしけににこ〳〵 わらいうせにける 【右ページ下、台詞】 〽せくまい〳〵うしろ          には さとりが ひかへているぞ 〽ヱヽむねん〳〵 ぎう〳〵ビナウ〳〵 ぐわァ〳〵 【左ページ下へ】 ぎやァ〳〵 〽おやのかたき しつたんの かたき おもいしつたか わ〳〵〳〵〳〵〳〵

現代語訳

さて主判は蛇鱗を返り討ちにしようと手下に言いつけて送り出し、「定めて今頃は食い殺してしまったものだろう」と油断してゆうゆうと洞穴にいるところへ、思いがけなくサトリと蛇鱗が踏み込んできて、「親の敵、尋常に勝負せん」と名乗りかけられ、仕方なく蛇鱗に食いかかった。 【左ページへ】 その間にサトリは手下の化け物どもを助太刀して食い殺し、振り返って見れば蛇鱗は手傷を負っているので、「ああ、組み合っているのに堪らない。助太刀御免」と食らいつけば、したりと蛇鱗も加わり、ついに主判を食い伏せて本望を遂げると、蛇願の姿が忽然と影のごとくに現れ出て、いと嬉しげににこにこと笑って消え去った。 【右ページ下、台詞】 「急げ急げ、後ろにはサトリが控えているぞ」 「ええい、無念無念、ぎゅうぎゅう、びなうびなう、ぐわあぐわあ」 【左ページ下へ】 「ぎゃあぎゃあ」 「親の敵、七旦の敵、思い知ったか、わあああああ」

英語訳

Now, the Master Judge had sent out his subordinates with orders to kill Jarin in a counterattack, and was relaxing carelessly in his cave, thinking "By now they must have devoured and killed him." Unexpectedly, Satori and Jarin came bursting in, challenging him with "Enemy of my parent, let us fight honorably!" With no choice, he attacked Jarin. [Continuing to left page] Meanwhile, Satori assisted by devouring the subordinate monsters, and looking back, he saw that Jarin had sustained injuries. "Ah, I cannot bear to watch this struggle. Forgive my interference!" he said as he bit down. With Jarin joining in triumphantly, they finally devoured and defeated the Master Judge, achieving their heart's desire. Then the figure of Jaganren suddenly appeared like a shadow, smiling happily before vanishing away. [Right page below, dialogue] "Hurry, hurry! Satori is waiting behind you!" "Damn it, how vexing, how vexing! Gyuu gyuu, binau binau, gwaa gwaa!" [Left page below] "Gyaa gyaa!" "Enemy of my parent, enemy of seven generations, do you now understand? Waaaahhhhh!"