翻刻
水にて天の火を取る法
硝子(びいどろ)の陶(とくり)か又は吸玉(すいたま)の類丸きものよし是に水一はい入レ口を
手にて押(おさ)へ日に向ひてちきりに至る所にほくちを置は直に
火移るなりちきりとは光りしまりて小(ちい)さくなる所なり
又|皿(さら)に水を入れて底(そこ)まで氷らせ此氷にて取も同し硝子(ひいどろ)
にはよらず全く陶(とくり)は水を持(もた)すためばかりなり
右之類は只ちきりの理を悟(さと)さんがため也又ひとつは船人の
自然(しぜん)水に渇(かつ)し或は火を得かたき時節の一助ともならん
かと書記せし而已
岩橋氏か平天儀図説てふ又桜木にちり
はめぬとておくりこしぬそのつゝまやかに
してしかもかなめを得たることはさらにもいはす
岩はしもとよりそらの象測る器造るかう
かへに深くかの阿蘭陀てふ国の人の巧にもおさ
〳〵おとらすされは月星窺ふ鏡をも我邦
にて始て造り出て其名高く遂に 公の天
文台の器ともをも 仰こと承りて数〳〵造り