翻刻
平天儀繰様之解
譬(たとへ)ば今日|立春(りつしゆん)に当る日なれは日輪の丸之内へ立春と書
たる所を入れ又月は今日十五日なれは十五日と書たる所へ
置(おき)右之如く中の三枚を不動(うごかざる)やうに合せ置今日|暮(くれ)六つ
時之事を繰(くり)見んと思はゝ右三枚|重(かさ)ねし侭(まゝ)にて日を酉の
方へ置くときは則日は女宿(ぢよしゆく)の六|度(ど)にあり月は井(せい)宿に丗
度にあり胃(ゐ)宿は中星となり鬼柳(きりう)東に出て虚危(きよき)西に入る
潮(しほ)は満汐(みちしほ)如此(かくのごとく)繰り合して知るへし余は是に準(じゆん)ず三百六十
余度を黒白(こくびやく)ニて記す此|印(しるし)を左(ひだり)へ順(じゆん)に歩(あゆ)み繰(くる)なり
平天儀五層の解は其表へ記ス故に略之
天地図
【図】
地球は球(てまり)の如く円(まどか)にして天の
正中(まんなか)に包(つゝま)れたり天と云は形(かたち)
なくして空(くう)なる所は耳の穴
袖(そで)の中まても是皆天
なり則地を一尺ほれば
一尺の天を増(ま)すと云何に
よらず形あるものはみな
天に包まれてあるものと
知るべし譬(たとへ)は魚の水中に
すむが如し