翻刻
だん寒くなつて。顔見世とはなりぬ。旦那も兼(かね)ての趣(しゆ)□【向?】(かう)□【な?】れバ。妹をと
まりかけに呼にやれ。壱ッ所に見せふといふに。深川へ人□□【をや?】つて呼バせる
内旦那ハ昼から来て。姉に三ッ四ッよがらせて行つかせ。五ッ時ゟに
おぎんが来て。旦那さん有/難(かた)ふござりますといふ目もとの可愛さ。
役者ひゐきの噺(はなし)も済(す)んで。寐るに成れバ手まへたちハくつとそちらへ
よつて寐たか能ひ。おれハ爰(こヽ)だといちや付なしに。先へ寐て見せるも
油断(ゆだん)させるてだて。おはやハ昼(ひる)からの相手(あいて)にくたびれ。そのうへ酒き
げんではあり。すや〳〵寐るを見/済(すま)し。そつと妹の夜着(よき)へころ
び込めバおぎんハひつくりして。ヲヤ〳〵旦那さんと。いふ口へすぐに舌を入
三ノ に